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【知る人ぞ知る、カツオのパワー】

Published on
2022年3月8日
fgj@admin
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Food Groove Japan 通信vol.10のテーマは「知る人ぞ知る、カツオのパワー」。
お話はFood Groove Japan 機能性部会の高岡様です。

8月中旬から9月下旬が「戻り鰹」のシーズンと言われています。
そんな鰹(かつお)の栄養について皆さまはどのくらいご存知でしょうか?
今回はその「鰹(かつお)」の知られざるパワーのひとつである「アンセリン」についてお話しいただきます。
また後半では、Food Groove Japan代表の鈴木さんより「美味しい鰹の見分け方」と「家庭でもできるお勧め鰹レシピ」をご用意しました。

これ読んで、今日からあなたも鰹(かつお)博士だ!!

■□知る人ぞ知る、カツオのパワー□■

Food Groove Japan 食の機能性部会の高岡です。
みなさん「鰹(かつお)」はお好きですか?
美味しいですよね!自分は大好きです。

「初鰹」と「戻り鰹」というのがあるのはご存じかと思います。九州南部、鹿児島辺りで3月頃から北上して、本州中部の5月ころが初鰹のシーズンと言われ、三陸から北海道に向かい、南下し始める8月~9月の時期戻り鰹のシーズンと言われています。
 そんな鰹は、FGJ通信vol.6でもお伝えした「DHA・EPA」、貧血対策やコラーゲンの合成に欠かせないミネラルのひとつで血液の材料でもある「鉄分」、美肌に欠かせない「パントテン酸」、アルコールの分解を助け、二日酔いの原因となるアセトアルデヒドの分解を助ける「ナイアシン」、そしてあまり聞いたことがないかもしれませんが「アンセリン」というとても優れた機能性を持つ栄養成分があります。
DHA・EPAは詳しくはFGJ通信vol.6に書かれていますのでぜひ読み直してください。
そして今回は、鰹の知られざるパワー、「アンセリン」についてお話しさせて頂きます。

【アンセリンと肉体疲労】
鰹は、鯛やのような瞬発力に頼っている魚と異なり、泳ぎ続ける持久力タイプの魚です。連続した運動は筋肉中に乳酸が発生するのですが、アンセリンはその乳酸を素早くエネルギーに変えてくれるので「肉体疲労の軽減」にとても役立ちます。運動している人は、鰹の美味しいこの季節には、毎日でも鰹を食べることをお勧めします。鰹は炭水化物が少なく、アミノ酸の宝庫でもありますしね。

【アンセリンと尿酸値】
また、アンセリンには「尿酸値を下げる」働きがあります。
アンセリンサプリを毎日4週間50㎎摂取、尿酸値の平均値が7.19だったが、2週間後には基準値内に、4週間後も下がり続け、摂取終了2週間後でも効果が持続していました。プラセボと比較すると一目瞭然で、アンセリンには明らかに尿酸値を下げる働きがあることがわかります。
このアンセリン50㎎というのは鰹の刺身に換算すると1/4切れ(約5g)に相当します。わずかな量でアンセリンをデータ量摂取することができます。しかも部位的にはよく動かしている尾びれに近い部分にアンセリンが多いそうなので、鰹の刺身を食べる時は、尿酸値が気になる方は尾びれ付近のすぼまった形の刺身がお勧め!ということになります。
ただし、アンセリン50㎎/日の摂取データはサプリメントとしてのデータであり、鰹を毎日食べてのデータは見つけることはできていませんので、吸収率も含めてこの量はあくまで計算上のものになります。
しかし、アンセリンが多く含まれる食品にはこのような効果が期待できることは言えます。「鰹を食べたら尿酸値が下がる」というデータではありませんが、疲労回復や尿酸値の正常化が期待できる素晴らしい食品の鰹が美味しい時期には積極的に食べることをお勧めします。

【尿酸値が下がるメカニズム】
アンセリンが尿酸値を下げる働きに優れている理由は2つあります。

POINT① 尿酸が作られすぎることを抑える。
プリン体は体内で再利用されているのですが、再利用されずに分解されると尿酸になります。アンセリンはプリン体を再利用する「酵素」を増やして尿酸が作られ過ぎるのを防ぎます。

POINT② 尿酸の排泄を促進する。
体内に尿酸が溜まると、尿酸は排泄されにくくなります。アンセリンは尿酸の排泄を促す酵素の量を増やすことで、過剰な尿酸値を下げる働きをしています。

【アンセリンの多い食品】
 アンセリンは持久力の高い動物に多く含まれる傾向があります。そのため、鰹以外にもマグロ、サケ、サメ、鳥の胸肉などがあります。キハダマグロには鰹とほぼ同等量のアンセリンが含まれています。(愛媛県産業技術総合研究所研究報告№49より)地鶏(阿波尾鶏/はかた地どり)の胸肉にはさらに多く、わずか4g程度食べればアンセリン50㎎を摂取できる計算になります。

【美味しい鰹の見分け方】
私が選ぶポイントは大きく3つ
①身の色と皮のツヤ
鮮度がいいものは身の色が鮮やかな赤や脂の多いものはピンク色であるが、鮮度が落ちているものはドス黒くなっている。また、皮も背中側は青く光っていて、腹側も擦れた跡がなく銀色に輝いているものがいいです

②弾力
鰹はイワシやシラスなどを餌にするため胃の中で腐敗しやすくお腹周りは鮮度が悪いと腐敗の進行の度合いで柔らかい時があります。お腹周りも弾力がしっかりあり全体的に張りがしっかりしていることが重要です

③カツオ虫(テンタクラリア)
鰹の腹側には白い寄生虫が寄生していることがあります。私は比較的この寄生虫が多いものを選びます。身がカチカチに硬くて美味しくない鰹にはこの寄生虫がいません。
寄生虫も美味しい鰹を選ぶ傾向がありますので、あえて自然の選択肢に便乗しております。鰹の寄生虫はアニサキスのようにわかりづらいことはなく、目視で取り除くことができるのと、もし食べてしまっても人間に寄生することはありませんので人体にも問題ありません。

【家庭でもできるお勧め鰹レシピ】
鰹はなんといってもお造りで食べるのが一番おいしいです!
戻りガツオですと代表的な鰹のタタキがやはり一番のおすすめです!
たっぷりの薬味(大葉、生姜、にんにく、茗荷、青ネギ)と一緒に食べるのが至高の逸品です。鰹の成分アンセリンは牛蒡とも相性がいいとの事ですので胡麻酢で和えた叩きごぼうと一緒に食べると健康にもいいですね

[文 FGJ食の機能性部会:高岡、FGJ代表:鈴木 FGJ広報:大内]