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【生産者通信】縁和 亦部章弘 様

【生産者通信】縁和 亦部章弘 様

縁をつなぐ。

今回お話いただきますのは、「日本の技術・資源・人をつなぐ架け橋になる」を企業理念に掲げている縁和株式会社の亦部(またべ)章弘様にインタビューさせていただきました。
縁和株式会社様は未利用天然資源の利活用事業を推進しておられます。そのひとつがエゾシカです。
詳しくはインタビュー記事や動画を見ていただき、その取り組みについて知っていただければと思います。
亦部様の企画でFGJ会員様向けの特典も考えていきますので、こちらもご期待ください。

ーー亦部(またべ)様のプロフィール、縁和株式会社様の事業内容を教えてくださいーー

■亦部(またべ)様のプロフィール
学生時代はバックパッカーで世界5ヶ国を訪問。その後、アメリカ大学院留学、日本の化学メーカー就職しました。
アメリカ現地法人の研究施設で医薬品製造プロセスの開発に携わった後、小学校時代から憧れていた航空業界での仕事を実現すべく航空業界の専門商社に転職。営業を経験しました。
メーカーにおける研究開発の仕事、商社での海外のメーカーと日本のメーカーの橋渡し役をする仕事をした経験の中で、自分にしかできない仕事はないかと考えた時、「日本はものづくりの国」とずっと考えておりまして、地方にあるものづくり中小企業の支援をできないかと考え、商社時代に培った国内外のネットワークをつかって、地方のものづくり中小企業の販路開拓を支援していこうと起業しました。

■縁和株式会社の3つの事業
縁和株式会社は3つの事業を通して地域活性化に取り組んでいます。
(1)未利用天然資源の利活用事業→世の中の廃棄物を減らす取り組みをしています。
(2)研究開発事業→原料の高付加価値化と環境負荷低減を実現する技術開発をおこなっています。
(3)輸出事業→海外の経験を通して日本が豊かになる仕事をしたい。「外貨獲得」がそのひとつだろうと輸出事業を取り組んでいます。

ーー未利用天然資源の利活用事業を少し具体的に教えてください。ーー

なぜ未利用の利活用事業かとお話しますと、モノづくり中小企業の営業代行的な仕事として5~6社を支援している中、各社食品加工が得意な会社が多かったのですが、その優れた技術がなかなか一般に伝わらないということで思いついたのが、その技術でどういったものが最終的に出来上がってくるのかという「レシピ開発(ソフトウエア)」で
、これを設備とセットにすることで技術や設備が普及するのではと考えました。
また、レシピ開発(ソフトウエア)するだけでは面白くないということで、当時から捨てられているものを対象にして、商品開発していこうというのが最初のきっかけでした。
北海道は天然資源の宝庫ですが、その天然資源が廃棄されている現状を目の当たりにしまして、どっぷり北海道にはまってしまったというわけです(笑)

その中のひとつが害獣駆除された「エゾシカ」です。
エゾシカは北海道ですと10万頭から12万頭が捕獲されています。
北海道内に30ほどの解体施設がありますが、その内の約8割くらいと取引させていただいている中で得られた情報として捕獲されたあとどれだけ利用されているかを調べたところ、10万頭の内利用されているのは2万頭から3万頭。他は全部廃棄ということで焼却処分されたり、微生物によって分解したり埋設したりが現実です。そういったところを解決したいと取組始めました。

ジビエと言うことで10万頭の内2割から3割が利活用されています。その内食肉になっているのがおそらく1万頭くらい
と思われます。肉以外の皮や骨はゴミになっています。皮の利用もごく一部でほとんどが廃棄されいるのが現状です。
皮や骨に着目し、有効活用する方法はないかと考えたときに、中華圏の方々にとっては、鹿は古来漢方生薬の原料、健康に良い食べ物という認識をもっているので、そちらに利用できないかと漢方生薬の原料としてまとめて販売する展開をしてきました。
また、エゾシカ以外には小さすぎる氷下魚(こまい)や牛タンの皮をペットフードの原料につかったりしています。

生産者の方々は今まで産業廃棄物としてお金を払って処分していたものが(会社にとってマイナス)、会社にとってプラスになると喜んでいただいております。

ーーFGJ会員に北海道に来て、感じてもらいたいこと、見てもらいたいことーー

わたしは日高昆布やサラブレッド(競走馬)で有名な日高に住んでます。日高も広くて端から端まで直線で120kmくらいあり、そこに7つの町があります。鹿肉の解体施設も各町にあり、見ていただきたいと思ってます。
私自身が型にはまった、ありきたりのものが好みでないので、「そこでしか体験できないこと」、「自分にしか企画できないもの」を企画したいと考えています。
 企画するにあたっては事前に北海道にどのような興味があるのかなどを事前にヒアリングした上で、なるべくそれらを詰め込んで特別な企画ができればと思っております。

ーー最後にFGJ会員へのメッセージをお願いしますーー
会社の由来は縁和 ご縁の縁
北海道に来ていただけるのであれば、一緒に過ごす時間の中で親交を深めさせていただければと思っております。
楽しみにしております。

取材協力:
縁和(えんわ)株式会社
代表取締役 亦部(またべ) 章弘様
https://en-wa.co.jp/

取材:大内央