2023年7月1日、FOOD GROOVE JAPAN(FGJ)の2023年夏のツアーを行いました!
今回は「すごいぞ秩父!秩父の底力を見せます!味わいます!」と題し、
秩父を再び訪れました。
首都圏から近く、旅行や観光で人気の秩父ですが、FGJのツアーは観光名所やグルメが目的のツアーとは一味も二味も違います。
FOOD GROOVE JAPANでは、美味しく楽しくは当たり前ですが、団体の使命ともいえる
「消費者として生産者から学び、考える」「食べ物の安全と豊かさを感じる」事が出来るよう企画しています。
今回はランチの定員の都合により、13名限定での募集。
定員に達して早めに締め切らせて頂きました。
今回の行程
10:00 出発
小松沢レジャー農園 オーナーのお話&原木しいたけ狩り
カリラボ ジビエ・狩猟の取り組みについて
秩父神社 参拝、境内見学
ランチ クチーナ・サルヴェ
武甲酒造 柳田総本店 酒蔵見学
16:00 解散
各自帰路、秩父ホルモン、棚田のかがり火などへ
出発
秩父までは池袋から80分程度。
西武鉄道の特急ラビューで西武秩父駅のひとつ手前の「横瀬駅」に集合、貸切バスで出発です。
原木しいたけを知って狩る~小松沢レジャー農園~
駅からバスで6、7分、最初の目的地に到着です。
この辺りでも有名らしく、団体ツアー中心に多くの方が訪れていました。
いちご・ぶどうの果実園、蕎麦・うどん打ちなどの様々な体験ができますが、われわれは町田社長のお話と原木しいたけ狩りをしました。
まずは町田社長のお話を伺います。
原木しいたけは町田社長の祖父の代から山に生えていました。
今、しいたけ生産量の93~94%が菌床栽培でつくられていて、原木栽培は7%未満。
なかなか手に入りませんが、味が好きな方は原木しいたけを好むそうです。
いま課題となっているのは、しいたけを栽培するための原木(なら、くぬぎなど)の生産量が減少していること。切り出す業者の高齢化や原木の主生産地だった福島での原発事故がその原因です。
原木栽培しているのは秩父全体で10人ほど。みな年齢が70-80代なので、あと10年程度で後継者がいなくなってしまう危機感を抱いておられます。
小松沢レジャー農園では酵素で育てて化成肥料不使用のいちごも有名。
同じく化成肥料を使わない生食用ぶどうも様々な種類を育てているそうです。
人気のシャインマスカットをかけあわせた「富士の輝(ふじのかがやき)」が今後伸びてくるそうですよ!
色々な質問に答えて頂いたあとは、いよいよ原木しいたけ狩りの場所へ移動。
森の中にきれいに並べられた原木のそこかしこに、立派なしいたけが生えています!
200グラムまでは入場料に含まれるため、皆さん重量計に置いて確かめながら取っています。
しいたけは原木にしっかりとくっついているのですが、教えて頂いた通り、石づきを持って軽くひねると取れました!
他にもコツを教えていただきました。
・食感が良いのはかさが閉じている方、うまみが強いのは開いているほう。
・今後すぐ食べるなら開いている方、食べるのがあとなら閉じている方、とのこと。
参加者の皆さんは、しいたけのおみやげを手にウキウキしながらバスに戻りました。
秩父での獣害とジビエの取組み~カリラボ~
つづいてはジビエ。今や全国的な関心事ですが、秩父でも問題になっています。
バスが入れない細い山道を少し歩いて下りると、ぽっかりと切り開かれたスペースでかわいいヤギさんが出迎えてくれました。
その奥のおしゃれなデザインの建物が、カリラボさんが運営する「横瀬ジビエ製造場」です。
代表の吉田さんは元々東京と地方の二拠点生活をしながら自然を楽しみ、冬の趣味として狩猟に興味を持ったそうです。そして秩父で狩人の高齢化や捕まえた獣の処分の大変さを知り、「東京から手伝いや遊びに来る人達」を増やして活性化させるアイデアが浮かびます。
補助金を活用し、拠点となるカリラボを立ち上げた現在は、狩猟体験、罠の共同出資と巡回の分担、月に2日、プロのシェフ(神奈川県茅ヶ崎から!)がつくるランチなど、様々な取り組みを行なっています。
活動の幅が広く、高品質にこだわったジビエの生産・販売もできているので、参加者が最初に興味の持った分野から関連分野に興味を広げたり秩父での交流が広がったりして、持続しやすいそうです。
吉田さんはこの活動が大都市近郊でのモデルになると考えています。