Food Groove Japan 食の機能性部会の高岡です。
アルコール飲料は身体に悪いというイメージをお持ちの方は多いのではないでしょうか。しかし、アルコール飲料の中には「健康効果」が期待できるものもあります。有名なのは「フレンチパラドックス」といわれる「赤ワイン効果」です。フランス人は動物性の飽和脂肪酸が多い食事を摂りながら、他の西欧諸国にくらべて心臓病の死亡者数が少なく、その理由が赤ワインの中にあるポリフェノールの影響であろうといわれています。赤ワインにはブドウの種や皮に含まれる優れたポリフェノールが溶け込んでいるため、シミやシワの原因となり、また動脈硬やがんなど様々な疾患の原因になる活性酸素を減らす働きがあります。より効果の高い赤ワインはポリフェノールが多い「フルボディ」と言えます。
では、みなさんは日本酒にはどのようなイメージをお持ちでしょうか。ご存じの通り、日本酒の原料は「お米」です。お米で最も機能性が高いのは白米以外の胚芽や種皮や果皮のいわゆる「米ぬか」部分です。では、機能性の高い米ぬかを使用しない日本酒にはどのような美肌効果があるのでしょうか。
【日本酒の美肌成分:α-EG】
日本酒にはαエチルグルコシド(以下α-EG)という成分が1%以下の濃度で含まれています。α-EGが肌の保湿機能を高めることと、肌のコラーゲンを増やす働きがあることがわかりました!
この効果は飲めば効くのか塗って効くのか、どちらだと思いますか?答えは…飲んでも塗ってもです!しかし日本酒なら何でも良いという訳ではなく、効果の高い日本酒と低い日本酒があります。効果の高い日本酒は「純米酒」になります。純米酒の方が醸造アルコールを添加したものよりも、α-EGが多く含まれているからです。
では、どのくらい純米酒を飲めば良いのでしょうか。金沢工業大学と石川県の車多酒造さんのデータではα-EG1.1%の純米酒をぐいのみ1杯程度の50mLを6日間飲んだ試験では、年齢層が高い女性は6週後もコラーゲン量が増えていました。
ぐい飲み1~2杯の純米酒を毎日飲むことで、肌のコラーゲンが増えるのであれば、美容のために続けてみたいですね。ちなみに、多量の飲酒でのデータはありませんでした。多く飲んだらより効果が出るのか、逆にマイナスに働くのか、それはわかりませんので、ほどほどが良いのではと思います。
【日本酒が苦手な方には…】
日本酒が飲めない方もいらっしゃいますよね、そんな方には「酒粕」がお勧めです。純米酒よりは少ないのですが、試験で使われた酒粕には0.6%のα-EGが含まれていました。酒粕50gを使った甘酒を飲むことで、肌のコラーゲン量が増え続け、保湿効果も高まりました。また、酒粕には「レジスタントプロテイン」という成分が含まれており、これが善玉菌の大好物で、善玉菌を増やしたり、コレステロールの排泄を促したりする働きもあります。美肌+腸内環境の一石二鳥が酒粕なんですね。
純米酒に酒粕(できれば純米酒の)で、潤いとコラーゲンがたっぷりのピチピチしっとり肌を手に入れましょう!
[文 FGJ食の機能性部会:高岡]