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第4回FOOD GROOVE JAPANバスツアー【心ふるえる千葉県佐原市の旅】

第4回FOOD GROOVE JAPANバスツアー【心ふるえる千葉県佐原市の旅】

第4回バスツアー

毎回、生産者の方々の熱い魂や大切に育てられた食材に触れ、

食材を活かした素晴らしい料理を味わい、心ふるえる体験ができるバスツアー。

今回は2月25日、千葉県佐原(さわら)に日帰りで行って来ました!

今回の一番のおめあては、

地元の猟師が獲った、千葉県北東部の利根川流域に飛来する天然真鴨です!

佐原の本格イタリアン「リストランテ カーザ・アルベラータ」オーナーシェフ並木一茂氏が天然真鴨をどんな料理で提供してくださるか、ワクワクします!

午前8:30に東京駅に集合し、さっそくバスで出発です。心配だった天気も青空です!

今回のご参加はご夫婦やお友達などの参加者とスタッフを入れて20名。

佐原を目指します。

今回のツアーの流れ

1.加瀬農園(有名な有機農園)

2.馬場本店酒造(300年の歴史を持つ日本酒・みりん酒蔵)

3.佐原の街並み散策(国が選定した重要伝統的建造物群保存地区)

4.昼食(本格イタリアン リストランテ カーザ・アルベラータ)

5.香取神宮(東国三社の一つ)

佐原市とは

千葉県の北東部で、東京から約70kmに位置します。

利根川周辺の自然景観をはじめ、「香取神宮」や、江戸時代から昭和初期に建てられた商家や土蔵が軒を連ねる佐原の町並みが見られるなど、水と緑に囲まれ、自然・歴史・文化に彩られたまちです(香取市ウェブサイトより抜粋)。

●●加瀬農園の野菜の力に圧倒される

最初の訪問地は美味しい有機野菜で有名な加瀬農園。

都内のミシュラン3つ星店のシェフや銀座の有名和食店の料理人がわざわざ畑にやって来る加瀬農園。

味や品質はもちろん、無印良品や大手スーパー「ライフ」から、加瀬さんの野菜の特設コーナーを作りたい!と依頼があっても対応できるほど量が確保できるのが凄いところです。

加瀬さんご本人に直接お話を伺う機会が頂けるのも、フード・グルーヴ・ジャパンのツアーだからこそ!

●土はぬか床と同じ

加瀬さんが特に情熱を注ぐのは土づくり。土はぬか床と同じと説明してくれました。

「作り始めて1年目のぬか床の漬物と35年かけたぬか床の漬物、どっちが美味しいと思う?」

条件をクリアすれば3年目から有機を名乗れるけど、20年試行錯誤したこの畑の野菜は一緒ではないはず。

だから加瀬農園ブランドを始めたとの事。

また、加瀬さんは「おれは畑を、あの隣の土地の林に近づけたいんだよね。」とも話してくれました。

ふつうキャベツは人間が沢山の肥料を与えて育てている。隣の林は何も手をかけていないのにたくさんの木々や草が育っていて豊か。

炭素や窒素の量を測りながら、畑の土を林の土と同じようにするため、日々努力している。

こうして育てられた「土」が生み出す加瀬農園の野菜を、畑で食べさせてもらいました!

●畑で味わう野菜の力

皆で畑に入り、長ねぎのある所まで歩きます。

長ねぎを自分で抜いて折ってみな、と加瀬さん。

あちこちでポキッ。パキッ。と音がします。長ねぎってこんなに簡単に折れましたっけ?

ねぎの丸かじりは初体験の人も多く、皆おそるおそるかじってみましたが、「うわ、おいしい!」辛味もありますが甘みも強く、味の濃さに生命力を感じます。

また、甘くて瑞々しい人参は、加瀬さんのお話を伺いながらスナック菓子のように食べ続けることができ、何だか不思議な感じ。

ほかにも、深さ7mの古井戸で保管されているサツマイモを見せてもらうなど、

ココには書ききれないほどのお話を伺い、ねぎと人参をお土産も頂いてしまいました!

「他にもっと質問ない?おれさ、話したくってしょうがないんだよなー」と言って皆を笑顔にする加瀬さんでした。

最初から素晴らしい体験に「もう参加費のもとが取れた!」との声も笑

●●馬場本店酒造で伝統の酒造りに触れる

参加者を迎えてくださったのは馬場さん。馬場本店酒造の○代目です。

まず、昔の酒づくりの道具、施設を見学させていただきました。

気になったのは焼き印。「男」とか「女」とかありますが・・・?

「これは樽に入れる焼き印です。昔、辛口が男酒、甘口が女酒と呼ばれていた時期があるのです」と馬場さん。

●酒づくりは麹づくりから

酒の製造施設では、参加者から「日本酒づくりに使う麹は仕入れているのですか?」と質問。

「もちろん元々麹屋なので、自前でつくっています」と答える馬場さん。

元々は奈良県で神主をしていた初代が280年前に開いた麹屋で、江戸中期から味醂、酒づくりを始めたそうです。

神主には酒造りの技術があったので、麹から自分たちで作っているとのこと。

近年は麹製造者から買って仕入れる酒蔵が多いと聞いたことがあります。

自前の麹を使い、自社の杜氏と蔵人による醸造で伝統の味を守る貴重な存在ですね。

馬場さんによると、日本酒の製造では、元になる酒内で酵母を大量に増やした後、量を分けてまた酵母を増やす形で全体の量を増やしてつくったそうです。

今では酵母が改良され、速やかに大量に酒をつくれるようになりましたが、昔はアルコールで酸度が20%を超え酵母が死んでしまうと酒造りが失敗してしまうため、その調節が杜氏の腕の見せ所だったとのこと。

●試飲

試飲コーナーでは本醸造、大吟醸、吟醸、純米吟醸など様々な馬場本店酒造製日本酒、焼酎の飲み比べもできました。

特に参加者から声が上がったのが、最上白味醂(さいじょうしろみりん)。

もち米を使用し昔ながらの製法で丁寧につくっているとのこと。

なぜ白みりんと呼ぶかと言うと、精白していないみりんは赤かったため、

精白し上質な方が高級で、白みりんが高級みりんの総称になったそうです。

「これは食後のお酒として飲める!グラッパだね」との感想も聞こえました。

最上白味醂は参加者全員におみやげとして頂きました!

もちろん日本酒、みりんを販売所でお土産に買っていく人も続出でした。

●●町なみを楽しむ

休憩所もある「さわら町屋館」まで移動し、ここからは自由行動タイム!

佐原は江戸時代より水郷として栄え、明治の県庁所在地を決める時点で、千葉と佐原どちらが良いかとの議論もあったとか。

商家・土蔵が見事に保存された町並みは「国選定重要伝統的建造物群保存地区」に選定されています。

参加者はおのおの、小野川沿いに広がる商家の街並みを楽しみながら散策しました。

私は、まず油茂製油さんにて胡麻油と「胡麻油で作ったラー油」を買いました。

パッケージも和風で素敵で、家で使うのが楽しみです!

そして何とも味のある建物「正文堂」さん(後で調べたら千葉県有形文化財でした)を覗いてみたら、香りにやられました!もうすぐの昼食を待てずに焼き芋を買い、食べながら散策。

商家にはそれぞれ建築の特徴や歴史が説明された看板が立っており、建築が好きな方にもおすすめです。

参加者の皆さんもそれぞれ町なみを楽しみながら、ゆったりとした時間を過ごされたようです。

●●天然真鴨のイタリアンを堪能

いよいよメインとなるランチ!

町屋館から小野川ぞいにたたずむ庭付きの古民家に3分で到着。

内装も落ち着いた雰囲気で素敵です。

本格イタリアン「リストランテ カーザ・アルベラータ」にて、オーナーシェフの並木一茂氏に

利根川流域に飛来する天然真鴨を使ったコースをご用意いただきました。

ドリンクを頼んだら、同じテーブルについた参加者同士で簡単に自己紹介をしながら料理を待ちます。

●今回のランチ

まずは前菜として「銚子産平目のクルード 香取市産野菜を添えて」

佐原からも近い銚子で揚がった生の平目に地元で取れた7種類の色鮮やかな野菜、マスタードソース、発酵させた塩みかんとイクラもアクセントになっていました。

次に食事をスタートする「第一の皿」が何と2つも!

「香取市産鴨のラグー 自家製タリアテッレ」と

「香取市産マッシュルームのクリームソース 自家製ニョッキ」です。

鴨のラグーは言われなければ鳥とは思えないほどのしっかりした歯ごたえとうまみがありました。

クリームソースは乳の甘みとマッシュルームのうまみ、塩味が溶け合い、香りも華やか。とろける食感のニョッキも美味しかったです。

「お口直し」は、赤ワインと生姜のシャーベット

赤ワインの香りに生姜のさわやかな香りとシャープな刺激が混ざり、大人のサングリアと言ったさっぱりした味でした。

「第二の皿」は香取産鴨のロースト 肝のポルペッティ。

再び天然鴨の登場です。

ローストは厚切りにもかかわらず大変柔らかく調理され、メインにふさわしい濃厚な味。

ポルペッティとはいわゆる肉団子で、外側はむちっとした弾力があり、内側は肝のコクが残ったままふわりとまとめられた感じでした。

肉厚の椎茸も食べ応えがあり、大満足のメインでした。

最後にデザートは

ヴァローナ社のチョコレートを使用した濃厚なテリーヌ・ショコラ カシスジェラート添え

口の中にチョコレートの豊かな香りと濃厚さが押し寄せてきます!

お皿に置かれた少量の粗塩もチョコレートを引き立てます。

さっぱりしたジェラートと、マシンで丁寧に入れたエスプレッソとともに頂きました。

店員さんの素晴らしいサービス、素敵な料理の連続に参加者は大満足。

幸せいっぱいな気持ちでバスに乗り込みます。

●●香取神宮への参拝

一行はバスで香取神宮へ。いよいよ最後の目的地です。

駐車場から本殿までの境内の広さを感じながら緩やかな参道を登ると、出迎えてくださったのは禰宜(ねぎ)の曽川さん。

●香取神宮のご由緒

香取神宮では、初代神武天皇の時代に国の創建に貢献した経津主大神(ふつぬしのおおかみ)が御祭神です。

その由緒より国家鎮護の神として、皇室をはじめ、源頼朝、足利尊氏、徳川家康などの武家より篤い崇敬を受けて来ました。

また、今では「神宮」の名前を頂いている神社は25ありますが、実は江戸期までは伊勢・香取・鹿島の3つの神社にしか与えられない特別な称号だったそうです。

更に少しのぼり、楼門(ろうもん)をくぐると、奥の方に荘厳な拝殿と本殿の姿が見えます。

黒漆で塗られた柱や梁、ヒノキのかわをはいだ「いわだぶき」は、朱色の楼門と比べると落ち着いた雰囲気です。

そして近づいて装飾部分をみると、金色やカラフルな色使い(極彩色)が施されています。

曽川さんによると、本殿は徳川5代将軍綱吉公の時代に安土桃山様式の豪華な様式で建築されたそうです。

その時は楼門と同じ朱色だったのですが、皇紀2,600年(昭和15年)に黒に塗り直しされたとのこと。

古来より黒は赤より上位の色とされていたこと、極彩色を際立たせる目的などで黒にしたそうです。

また、曽川さんは私たちのために香取神宮での神事の資料を用意してくださっていました!

見せていただいたのは、11月30日に行われる大饗祭(だいきょうさい)や12月7日の団碁祭(だんきさい)でのお供え物の写真です。

新しく取れた穀物でつくった団子や、鴨が羽ばたいた形で盛り付けられた「鴨羽盛(かものはもり)」、マコモを編んで白飯を保温したものなど、一つ一つご説明をいただきました。

その後、奥宮、要石にもお参りしてから駐車場へ。

土曜日の午後ですが境内は混雑するほどでもなく、落ち着いて参拝することができました。

駐車場に戻る時に雨が降ってきましたが、神社の雨は縁起が良いのだそうです。

神様に悪い気をはらって恵みを頂き、東京へ戻ります。

最後に加瀬農園のねぎを受け取り大満足のツアー、今回も無事に終了いたしました。

ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました!